銀製の食器やシルバーアクセサリーなどの銀製品は、汚れやすく黒ずみやすいものです。
変色したシルバーを元の光沢や風合いに戻す、細かいキズを落す、石の裏側やスキマにこびり付いた汚れを落すなど、その状態によって手入れの方法が異なります。
汚れを落とす
軽い汚れは、水やぬるま湯で洗えば、簡単に落とすことが出来ます。しかし、細かい細工が入ったものや、石を止めているスキマなどの汚れは、簡単に取れない場合があります。
その場合は、超音波洗浄器などを使うと、細かいスキマまで汚れを取ることが出来ます。
シルバーアクセサリーに真珠や宝石などが付いたものは、水などにつけても大丈夫ですが、超音波洗浄器を使うと石留めが取れるものがあります。
また接着剤で留めてているものも注意が必要です。
超音波洗浄器
超音波洗浄は高い周波数の音波を利用してものを洗浄する機械です。液体中で超音波を発生すると強力なエネルギーを発生します。
この衝撃力が、物についている汚れを吸引・剥離します。表面だけでなく、石の裏側やブラシなどが入りにくい細かなスキマもきれいになります。
メガネやアクセサリーなどをきれいにする為の数千円のものから、業務用に数十万円もするものがあります。
黒ずみ(変色)を取る
シルバー特有の黒ずみの原因である、硫化皮膜を取り除くには、銀専用のクリーナーを使うと簡単に黒ずみを取ることができます。
専用のクリーナーには、布に研磨剤をつけたクロスタイプ、科学的にシルバーの表面の硫化銀皮膜を落とす液体タイプ、研磨剤を配合したペースト状のタイプ、最近ではローションタイプや半練りタイプ、スプレー式など、各社から様々な商品が発売されています。
シルバー磨きクロス(布)
柔らかいフェルト地に微粒子の研磨剤を含ませた銀製品専用の磨き布です。変色防止剤を含ませたものなどあります。軽く表面をこするだけで簡単に黒ずみを取りピカピカになります。
マットな表面のつや消し加工やいぶし加工、細かい彫り模様の場合は磨きすぎに注意して下さい。小さいキズを削り取りたい場合などには重宝しますよ。
また、銀専用のものでは金などの他の貴金属は磨かないでください。金属自体の性質が異なりますので傷等の原因になります。
液体タイプのシルバークリーナー
チェーンや細工のあるものなどクロスで磨けないものには銀専用の洗浄液がおすすめです。
こちらも同じく専門店などで売られています。液に数秒間浸して水で洗い流し、柔らかい布で水分を拭き取れば、簡単に変色が落ちます。
宝石などが付いたシルバーアクセサリーの場合は、クリーナーの成分によって宝石が変色することがあるので、使用前に注意が必要です。
液体シルバークリーナーの中には硫酸を使用した危険なものもあります。皮膚についても安全なものを使用してください。
ローションタイプのシルバークリーナー
ローションタイプ、ペーストタイプ、半練りタイプなど用途や金属に合わせた様々なものがあります。銀製品に使う場合は、銀専用のものを使用してください。
万能の金属クリーナーは、銀の表面をキズつけ、表面がくもってしまいます。クリーナーを使う場合、乾いた布に適量をつけ磨きあげ、その後きれいな布でふき取ります。
液体タイプより、表面を磨き上げるため小さいキズなどをとる場合に便利です。
キズを取る
細かいキズなどは、前述の研磨剤を含ませた磨き布で磨くと、簡単に取ることができます。
また、かなり大きめなキズや深いキズは、買ったところで直してもらうか、専門の業者(銀細工を行う工房)などで研磨してもらう事をおすすめします。
しかし、ある程度のキズであれば(表面に細工がなく、浅いキズ)、サンドペーパーやリューターを使ってキズを取ることも可能です。
この方法は、お手入れというよりリペアの範囲で、クロスで取れないキズを落とす場合に用いられます。表面加工などある場合は、専門の業者に出すことをオススメします。
サンドペーパーで磨く
サンドペーパーに用いられる研磨材の粒度(粗さ)は#40~#2000位が使われます。また、磨き専用の#4000~#15000といった超微粉粒子を使ったものがあります。
シルバーアクセサリーなどに使う耐水ペーパーは粒度の幅も広く水ペーパーとも呼ばれます。
水をつけながら使えば、持ち味を引き出せるタイプのサンドペーパーです。東急ハンズやホームセンターなどで一枚70円から100円程度で販売しています。
リューターで磨く
彫金や木彫、模型製作、ネイルアートなどの専門業者やホビー愛好家の間で使われている細身のハンドグラインダーを、一般的に「リューター」といい、先端に研磨や削るための工具を取り付けて使います。